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てんかん持ちでも運転免許は取得出来る!?

2019年10月21日

以前は、てんかんの患者さんは全て一律に運転免許を取得することができませんでした。
しかし、2002年の法改正により、安全な運転ができるかどうかについては、患者さんひとりひとりに合わせて判断されるようになりました。
てんかんの患者さんでも条件を満たすことで運転免許が取得できるようになったのです。

その条件はいくつかあります。
まず、過去5年以内に発作が起こったことがなく、医師からこれから発作が起こるおそれがないという診断を行っていることです。
また、運転に支障がある発作が過去2年以内に起きることなく、今後数年であれば発作が起きる心配がないという診断をした場合も可能です。

2年以内にてんかんの発作が起きていないことを前提として、医師が1年間の経過観察をしたのち、発作が意識障害及び運動障害を伴わない単純部分発作に限られ、今後症状が悪化するおそれがないという診断をした場合も取得できます。
医師が2年間の経過観察を行い、発作が睡眠中に限って起きていて今後症状の悪化するおそれがないという診断がある場合も取得することが可能です。

まとめると、てんかんの患者さんが運転免許を取得するためには、過去2年間の間に発作が起きていないことが条件になります。薬の服用の有無は関係ありません。
これらの条件の下で、単純部分発作がある場合は1年以下、睡眠中に発作が起きるようであれば2年以上の経過観察が必要になります。

ただし、大型免許と第2種免許は条件を満たしていても取得することはできません。そして、ドライバーなどの運転を職業とする仕事はおすすめできないので注意しましょう。
運転免許の取得には、てんかんであることを申告し、主治医に診断書を書いてもらわなければいけません。
診断書を公安委員会に提出することで、手続きを行います。この手続きは運転免許を新規で取得する場合はもちろん、継続する場合にも必要です。
正直に申告して、運転することは社会の一員として必要なことです。

てんかん患者が引き起こした自動車事故について

てんかんは治療によりコントロールが可能な病気ですが、患者さんが自動車事故を引き起こしてしまうことは過去にいくつも例があります。
平成27年に意識を喪失する発作を起こした男性には、危険運転罪が成立しました。
この男性は過去にも意識を失う発作が起きていたのにも関わらず、運転免許の更新時に意識を失った経験はないと虚偽の申告を繰り返していたそうです。

多くのてんかんの患者さんは正直に申告しているのに、一部で虚偽の申告をしてしまう人がいると、全体のイメージが悪くなってしまいます。
中には、せっかくとった免許を自分のてんかんの発作により返納するなど諦めているひともいる状態です。

従来はてんかんの患者さんが引き起こした自動車事故は過失運転致死傷として扱われていました。
しかし、近頃では危険運転致死傷の範囲が拡大され、発作で起こった事故にも適用されるようになったのです。

てんかんであることを隠して取得した運転免許を持つ患者さんに加えて、無免許での運転を繰り返す患者さんもいます。
診断書の提出などが面倒なことから、安易に無免許運転で事故を起こしてしまった例もあります。
平成26年の北海道で起こった事故は、26歳のてんかんの患者さんが無免許で対向車線にはみ出し、自動車と衝突するというものでした。
幸いぶつかった車のドライバーは軽症で命に別状はありませんでしたが、危険運転致死傷が適用されました。

このように、てんかん患者さんだからといって必ずしも事故を起こすわけではないのですが、無免許や虚偽の申告をする一部の心ない人の行動のために危険運転致死傷が適用されています。
危険運転致死傷は刑罰が重いという特徴があるので、運転する際には正直な申告をして安全を第一にしましょう。