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てんかんと間違えやすい病気はある?

2019年11月29日

てんかんとよく似た病気として「熱性痙攣」が挙げられます。38度以上の発熱に伴って、失神して全身の痙攣が発症する症状です。
小児期に最も多く見られる発作性疾患であり、一般的にはひきつけという呼び名が広まっています。
生後6ヶ月から5歳にかけての乳幼児期に特に見られる症状であり、発熱から24時間以内に見られ、1回の症状はおよそ1~3分間です。
症状が似通っているため判断が難しいですが、熱性痙攣は必ず発熱とともに発症するのに対し、てんかんは発熱時とは限りません。

急性脳症も似ている病気として挙げられます。
ウイルス感染が主な発症原因であり、感染症によって脳にむくみが生じて、意識レベルが低下し失神する疾患を指します。
混入した異物であるウイルスを排除しようと免疫反応が過剰になった結果であり、意識障害や失神の他に痙攣、嘔吐や血圧・呼吸の変化などが生じます。
てんかんとの違いは、急性脳症の場合はインフルエンザウイルスや、突発性発疹を起こすヒトヘルペスウイルスなど明確な原因が分かっていることに対して、てんかんの場合は原因がほとんど分からない点にあります。
当然、対処法や治療法も異なってきます。

間違われやすい症状に、髄膜炎も数えられます。
脳や脊椎を覆う膜・髄膜が炎症を起こし、高熱や強い頭痛、悪寒や嘔吐など風邪に似た症状が発生する病気です。
痙攣や意識障害を伴う場合も多いため、てんかんと判断がつきにくくなります。

ナルコレプシーもてんかん発作に似た症状をもつ病気のひとつです。
昼間でも強烈な眠気が襲い、短い時間無意識に眠ってしまう睡眠障害が特徴的な病気です。
中でも、てんかんと混同されやすいのは、睡眠障害と共に激しい感情の起伏により急激に全身の力が抜けてしまう、情動脱力発作です。
外見上は急に力が入らなくなって地面に倒れ込んでしまうさまが、てんかん発作のひとつに似ているため間違えやすいです。
てんかんとナルコレプシーの違いは、脱力発作が起きる直前に喜怒哀楽のいずれかの感情の起伏があるかどうかです。

小児てんかんは医師が誤診することもある

てんかんは慢性的な脳の疾患で、遺伝や出産時の頭部圧迫といった先天的理由、生後に受けた外部からの頭部損傷などその原因は多岐にわたります。
そのため、原因の特定は難しい病気とされています。

また、似た症状が多いのも誤診のもとに繋がりやすくなっています。
高名なシンポジウムにて優秀な医師を集めて、小児てんかんの映像を見せてもきちんと診断できたのは半数以下という報告もある通り、見た目だけでの判断は困難な病気です。
てんかんを診断する上で欠かせない脳波の診察も、これにより精度の高い診断ができるとは言え、脳波だけではやはり誤診の可能性も否めないのもまた事実だからです。

特に小児期はてんかんと非常に酷似している熱性痙攣があります。
38度を超える急激な発熱があった際に生じる痙攣症状のことで、てんかんによる痙攣とほぼ見分けはつきません。
発作が起きる間隔もほとんど同じで、唯一の判断材料である高熱時という条件も、てんかんと熱性痙攣のどちらも発症する可能性があるため、それで判断することは不可能です。
専門家ですら、普段の様子やそのときの詳しい状況、前後の状態を確認しなければ困難なほどです。

幼少期はてんかんと熱性痙攣の両方とも罹患しやすい点も、誤診を招く一因となります。
成人の患者が痙攣や失神を起こした場合の比率が、6割以上が脳卒中であるのに対し、てんかんである可能性が1割にも満たないため、てんかんの専門医自体も少ないことも少なからず影響しています。

しかし、誤診によっててんかんを見逃してしまうと、発作を繰り返したり、誤った治療を続けたりすることとなります。
一人の医師だけでははっきりしない場合、専門医による診察も視野に入れた方が良いでしょう。